Chachaが泣いた日

Chachaはお気に入りの物に対しての執着はすごい。 例えば、おもちゃを隠すと徹底的に探し回るし、隙間に入りこんだりしようものなら必死になって取ろうとする。 どうしても取れない時は、僕たちを呼んできては取ってと指図するし、無視しているとなおさら必死になるので、 結局取ってあげることになるわけだけど、とてもしつこくて困った子だ。 そんなChachaから一番のお気に入りのチャミ(いつもチャミとだけ遊んでいた)を新たな飼い主の下へと引き離す ということは、一日中いや、一年中探し回るものだろうと思っていたし、目の前で連れて行かれたら、Chachaは 必死になって抵抗するものと予想していた。 だからチャミが引き取られる時には、ChachaとWoodyを連れて散歩に出かけ、その隙にチャミを連れ出すという 作戦を立てていた。 そして、ついに今日はチャミの引取りの日。 段取り通り、僕はChachaとWoodyを連れ出し、チャミが去った頃合いを見計らって家に戻った。 ところが、家に戻ってからのChachaはチャミをまったく探さなかった。 もっと必死になって探すものだと思っていただけに、「まったく探さない」という 不自然さには逆にぎこちなさを感じた。(Woodyは探していた) オスワリやお手をすぐに覚えることが出来る。 それは、長年の犬の歴史の中から本能の一部に組みこまれているかのようだ。 それと同じように、子犬達はいずれ違う飼い主の下へひき取られるということを、 本能としてわきまえているのかな。 そんなふうに、Chachaはまるでこの日が来るのを知っていたかのように、今日は なるべく無関心をあえて装っているようだった。 だって「まったく探さない」という不自然さはそういうことでしょ。 でもねChacha。 僕の腕の中にいた時、確かに涙流していたよね。 僕らが気がつかないとでも思っていたのかい? 2007年3月4日 Noize